物語編みエンジン
ことばが、物語になるまで。
何気ない毎日のひとことが、どのようにして、ご家族のもとへ届くひとつの物語になるのか。ともりねが、ことばを物語へと編んでいく、その道のりを、ご紹介します。
急がず、ていねいに。職人が糸を手繰るように。
物語は、一日では生まれません。
大切な物語は、一度の会話からは生まれません。何ヶ月にもわたる、いくつもの何気ないお話の中に、その糸は、少しずつあらわれてきます。ともりねの物語編みエンジンは、その糸をそっと見つけ、より分け、ご本人の承諾をいただいてはじめて、ひとつの物語へと編みあげます。急がず、こぼさず、ていねいに。
七つの工程
ことばが、物語になるまで。
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01聴く
耳をかたむける
毎日、ともりねは、ご両親のお話に、そっと耳をかたむけます。聞いているのは、ことばだけではありません。声の調子、間のとり方、うれしそうに話されること、何度も出てくるお名前。「この方にとって、何が大切なのか」を、静かに受けとめていきます。
はじめの一歩は、ただ、ていねいに聴くことから。
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02写す
ことばを、写しとる
お話しくださった声を、一言一句、ていねいに文字へと写しとります。お住まいの土地ならではの言い回しや、ご家族のお名前も、あらかじめお預かりしておくので、大切なことばを取りこぼしません。そして、生のお声そのものも、消さずに残します。
お名前の読み方は、その方そのもの。だからこそ、ここをいちばん大切にします。
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03つなぐ
話の“糸”を見つける
日をまたいで、同じ話題が、ふとあらわれることがあります。お父様のこと。和歌山の畑。お漬物の作り方。ばらばらに見えていた小さなお話が、じつはひとつの糸でつながっている——ともりねは、それを静かに見つけ、結んでいきます。
物語の種は、いつも、何気ない繰り返しの中にあります。
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04熟す
「物語になる」と気づく
ひとつの話題のまわりに、じゅうぶんなお話が集まったとき。いくつもの会話が、ひとつの物語になるだけの深さをもったとき。ともりねは、「これは、物語になる」と気づきます。早すぎず、無理に急かさず、機が熟すのを、静かに待ちます。
数より、深さを。足りないまま編むことは、いたしません。
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05たずねる
ご本人に、おうかがいする
ここが、何より大切なところです。ともりねは、ご本人の承諾なしに、物語を編むことはありません。「畑のお話を、ご家族にお届けする物語にまとめても、よろしいですか」——そうおたずねして、「いいよ」と言っていただけたときだけ、次の工程へ進みます。日々の会話は、日々の会話のまま。何をお渡しするかは、いつでもご本人がお決めになります。
何を遺すかを決めるのは、いつでも、ご本人です。
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06編む
一篇の物語へと、編む
承諾をいただいて、ともりねは、はじめて物語を編みはじめます。集まったお話を、800〜2,000字ほどの読み物へ。ご本人の言い回しや口ぐせを活かした、自然であたたかい日本語で。ところどころには、生のお声の短いクリップを、そっと添えて。文章と、お声と。同じページの上で。
情報の要約ではなく、何度も読み返したくなる、一篇の物語に。
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07届ける
ご家族のもとへ。そして、いつまでも
編みあがった物語は、ご家族のアプリに、そっと届きます。そして、その物語と、もとになったお声のすべては、大切に保管されます。お別れのあとも、消えることはありません。何十年か先、お孫さんが「おばあちゃんは、こんなふうに話していたんだね」と、その声に触れられるように。
「いつまでも」は、ともりねの、変わらないお約束です。
編む前と、編んだあと
ことばは、こんなふうに物語になります。
ある夏の夕方のお話が、ともりねの手で、どのように一篇の物語へと変わっていくのか。実際の例で、ご覧ください。
会話の中で
「あれはね、私が中学二年の、夏の夕方やった。畑におったんよ、父と。そしたら急に、父が手を止めてね、空を見上げて、独り言みたいに言うたんよ。『お前のおじいちゃんの豆な、ほんまに、甘かったんや』って。それだけ。それ以上は、何にも言わへんかった。けど、あの時の茜色の空とね、土の匂い、今でもはっきり覚えてるわ。」
編まれた物語
完成した物語より
父と畑
一度だけ、無口な父が、私に長い話をしてくれた夕方があります。中学二年の、畑でのことでした。父はふと手を止め、茜色に染まる空を見上げて、独り言のようにつぶやいたのです。──お前のおじいちゃんの豆は、ほんまに甘かった、と。それだけ言って、父はまた、何ごともなかったように胡瓜の蔓を結びはじめました。あの夕方の空の色と、土の匂いだけは、六十年たった今も、私の中に残っています。
※ お名前など、個人情報は変更しています。
簡単なことでは、ありません。
ことばを物語へと編むこの一連の工程は、ともりねが独自に設計し、いまも磨きつづけているものです。けれど、ご家族へお届けする、たったひとつの物語だからこそ、ここまで手をかけます。
技術は、その奥に、そっと。
表に出るのは、あたたかい物語だけでいい。
私たちは、そう考えています。